　奈良市中心市街地の活性化事業に取り組む株式会社「まちづくり奈良」(橋本町)は、なら国際映画祭実行委員会と来月15、16の両日に、同町にある創業支援施設で映画上映イベント「ミニシアター　きらっ都シネマ」を催す。両者は同シアターの定期開催を検討しており市内から姿を消した上映拠点の復活に期待がかかる。

　まちづくり奈良によると、市内唯一の映画館だった「シネマデプト友楽」が平成22年12月に閉館した後、市民からは地元での映画上映を希望する声が上がっていた。

　昨秋は市中心市街地の居酒屋店などをクーポン券で巡る「まちなかバル」と奈良国際映画祭が併催され集客効果があった。まちづくり奈良は市民の声に応えようと、2月のバル会期中にミニシアターを企画。映画祭の実行委に協力を打診した。

　会場は餅井殿商店街にある、まちづくり奈良運営の創業支援施設「きらっ都・奈良」2階に設置。プロジェクターと大型スクリーンを使い名作映画2本を上映する。

　作品は15日が「キューポラのある街」、16日は「カサブランカ」で開始は午後4時と同7時。定員50人。1冊五枚つづりのバルチケット(3000円)1枚でドリンク付きで鑑賞できる。

　催事以降は採算性を踏まえた上で月例の上映会を予定している。

　「きらっ都シネマ」の開催を支援する同映画祭実行委の中野聖子理事は「まちを盛り上げるお手伝いができて光栄。定期開催できるよう一人でも多くの人が見に来てほしい」と、まちづくり奈良の松森重博社長は「まちの中に人を呼び込むきっかけにしたい。採算ベースに乗せ、できる限り継続したい」と話す。

　バルの前売りチケットはまちづくり奈良やサークルK猿沢の池店、バルの参加店で販売中。

　問い合わせはまちづくり奈良、電話0742(27)1111。